失業保険の金額は、退職前6か月の給与から計算します。賃金日額と基本手当日額の出し方、給付日数の決まり方、上限額の調べ方を順番に解説します。
失業保険がいくらもらえるのか。これが分からないと、次の仕事を探す期間をどう組み立てるかも決められません。
金額は、退職前6か月の給与から機械的に計算されます。誰かの裁量で決まるものではありません。この記事では、計算の順番と、日数の決まり方を整理しました。ご自身の数字を当てはめれば、おおよその見当がつきます。
計算は3ステップです
- 賃金日額を出す — 退職前6か月の賃金総額 ÷ 180
- 給付率をかけて基本手当日額を出す — 賃金日額の50〜80%(60歳以上65歳未満は45〜80%)
- 所定給付日数をかける — 年齢・被保険者期間・離職理由で決まる
賃金が低い方ほど給付率が高くなる仕組みです。ここは押さえておいてください。給与が高かったからといって、そのまま比例して多くもらえるわけではありません。
そして、賃金日額にも基本手当日額にも、年齢区分ごとの上限額と下限額があります。この金額は毎年8月1日に改定されます。金額そのものは、必ず厚生労働省またはハローワークの最新の資料で確認してください。

ステップ1:賃金日額を出す
退職前6か月間に支払われた賃金の総額を、180で割ります。これが賃金日額です。
含めるもの・含めないもの
含めるもの
- 基本給
- 残業手当
- 通勤手当
- 住宅手当、家族手当などの諸手当
含めないもの
- 賞与(ボーナス)
- 退職金
- 3か月を超える期間ごとに支払われるもの
ここでつまずく方が多いです。賞与は入りません。 年収ベースで考えると実際より高く見積もってしまうので、月々の給与明細の総支給額で計算してください。
税金や社会保険料が引かれる前の額、つまり手取りではなく総支給額です。
6か月に満たない月がある場合
賃金の支払い基礎となった日数が11日未満の月は、この6か月から除きます。その分、さかのぼって前の月を数えます。休職していた期間がある方は、離職票-2の記載を確認してください。
ステップ2:基本手当日額を出す
賃金日額に給付率をかけます。
- 60歳未満 — 50〜80%
- 60歳以上65歳未満 — 45〜80%
賃金日額が低いほど80%に近づき、高いほど50%(または45%)に近づきます。段階的に変わる仕組みで、賃金日額の金額帯ごとに計算式が決められています。
そして、算出された基本手当日額には上限があります。上限額は年齢区分ごとに違い、毎年8月1日に改定されます。
自分で正確に計算するのは手間がかかります。ハローワークで受給資格が決まると、雇用保険受給資格者証に基本手当日額が記載されます。 確定した金額を知りたい方は、そこで確認するのが確実です。
ステップ3:日数をかける
所定給付日数は、離職理由によって表が変わります。
自己都合(一般の離職者)
| 被保険者だった期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
年齢は関係ありません。
会社都合(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
勤続20年の方が45歳以上60歳未満で会社都合退職なら330日。同じ勤続20年でも自己都合なら150日です。

実際に受け取れる金額はどうなる?
計算した総額が、そのまま満額入るとは限りません。
給付制限がある場合
自己都合で退職した方は、待期7日の後に給付制限期間があります。2025年4月1日以降に離職した方は、原則1か月です。この期間分は支給されません。
途中で就職した場合
所定給付日数を残して再就職すると、そこで支給は終わります。ただし、残日数が一定以上あれば再就職手当を受け取れます。早く決まったほうが損、という仕組みにはなっていません。
認定日を欠席した場合
指定された認定日に行かなかった期間は、支給されません。日数が繰り越されるわけではなく、その分は受け取れなくなります。
アルバイトをした場合
働いた日や収入によって、その分が減額されたり、支給が先送りになったりします。扱いは働いた時間と収入によって変わるので、認定日に正直に申告してください。判断は窓口が行います。

よくある間違い
ボーナスを含めて計算してしまう 賞与は賃金総額に入りません。年収の12分の1で計算すると、実際より高く出ます。
手取り額で計算してしまう 使うのは総支給額です。税金や社会保険料が引かれる前の金額を見てください。
上限額を確認せずに計算する 給与が高かった方ほど、上限に引っかかります。計算どおりの金額にならないのはこのためです。
「もらえる総額」を生活費の計画に丸ごと当てはめる 給付制限や認定日のずれで、入金のタイミングは想定よりも後ろになりがちです。最初の振込までに2か月近くかかることもあります。
あわせて確認したい手続き
- 自己都合と会社都合で変わる給付制限と給付日数
- ハローワークでの手続きの流れと認定日の受け方
- 再就職が早く決まった場合の再就職手当
※本記事は2026年9月時点の情報です。制度は改正されることがあります。最新の内容は必ず公式サイト(厚生労働省・ハローワーク)またはお住まいの市区町村でご確認ください。




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