資格を取り直したい。でも講座代が気になる。45歳を過ぎて学び直しを考えると、ここで手が止まりますよね。教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座の費用の一部が雇用保険から戻る制度です。ただし3種類あり、戻る割合も加入期間の条件も違います。この記事では、3種類の違いと、受講前に必要な手続き、退職後1年以内という期限を整理します。在職中に申し込んだほうが得になるケースもあわせて説明します。

教育訓練給付金の対象は?受けられる割合と加入期間の結論
対象になるのは、受講開始日に雇用保険に入っている人か、離職日の翌日から受講開始日まで1年以内の人です。加入期間は原則3年以上必要です。初めて使う人は、一般・特定一般が1年以上、専門実践が2年以上で足ります。
- 一般教育訓練:費用の20%(上限10万円)
- 特定一般教育訓練:40%(上限20万円)、条件を満たせば最大50%(上限25万円)
- 専門実践教育訓練:50%(年間上限40万円)、条件を満たせば最大80%(年間上限64万円)
特定一般と専門実践は、受講開始日の2週間前までにハローワークで手続きをしないと受け取れません。ここだけは押さえておいてください。
教育訓練給付金でつまずくのはどこ?よくある3つの場面
多くの方がつまずくのは、次の3つの場面です。
- 申し込んでから手続きに気づく。特定一般と専門実践は、受講前の手続きがないと対象外です。講座が始まってからでは間に合いません。
- 退職して1年が過ぎていた。失業保険の手続きや再就職の準備をしているうちに、期限を越えてしまう例があります。
- 講座が指定を受けていなかった。同じ資格の講座でも、学校やコースによって対象かどうかが違います。
どれも、申し込む前の確認で防げます。

3種類の給付率と申し込みの手順は?必要書類を表で確認
3種類の違いを表にまとめました。給付率とは、支払った受講費用のうち戻ってくる割合のことです。
手続きは次の順番で進めます。
- 厚生労働省の「教育訓練給付制度 検索システム」で講座の種類を確認する
- ハローワークで支給要件照会(自分が対象かどうかの確認)をする
- 特定一般・専門実践は、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作る
- 受講開始日の2週間前までに、住所地のハローワークへ教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票とジョブ・カードを出す
- 受講・修了後、教育訓練給付金支給申請書、教育訓練修了証明書、領収書を出す
| 項目 | 一般教育訓練 | 特定一般教育訓練 | 専門実践教育訓練 |
|---|---|---|---|
| 基本の給付率 | 20%(上限10万円) | 40%(上限20万円) | 50%(年間上限40万円) |
| 追加の給付 | なし | 資格取得と就職で+10% | 資格取得と就職で+20%、賃金5%以上上昇で+10% |
| 最大 | 20% | 50%(上限25万円) | 80%(年間上限64万円) |
| 加入期間 | 3年以上(初回1年以上) | 3年以上(初回1年以上) | 3年以上(初回2年以上) |
| 受講前の手続き | 不要 | 2週間前までに必要 | 2週間前までに必要 |
| 支給申請 | 修了日の翌日から1か月以内 | 修了日の翌日から1か月以内 | 6か月ごとの期間末日の翌日から1か月以内 |
在職中と退職後で何が変わる?ケース別の教育訓練給付金の使い方
同じ講座でも、いつ受け始めるかで受け取れる額が変わります。
在職中に申し込んだほうが得になるのはどんなとき?
専門実践の「賃金5%以上上昇で+10%」は、修了後に働いて賃金が上がることが条件です。在職中から受講して今の会社で昇給すれば、この上乗せを狙えます。また在職中は「離職後1年以内」の期限を気にせず、講座を選ぶ時間を取れます。辞める予定が決まっている方は、退職前に受給資格確認まで済ませておくと安心です。
退職後に受講を始めたいときは?
離職日の翌日から受講開始日まで1年以内であれば対象です。数える基準は申込日ではなく受講開始日です。窓口では、離職票(離職票-1・離職票-2)や雇用保険受給資格者証など、離職日と加入期間がわかる書類の提示を求められることがあります。
失業保険を受けながら講座に通えますか?
教育訓練給付金は受講費用の補助で、失業保険(基本手当)とは別の制度です。受給中の受講そのものは可能ですが、求職活動の扱いはハローワークに確認してください。失業保険が延びる公共職業訓練の仕組みは、4編で取り上げています。
教育訓練給付金の対象になる人・ならない人
対象になるのは、雇用保険の一般被保険者か高年齢被保険者で、加入期間の条件を満たす人です。パートや派遣でも、雇用保険に入っていれば対象になります。加入期間は、前の会社との空白が1年以内なら通算できます。
次の場合は対象になりません。
- 公務員や自営業、会社役員など、雇用保険に入っていない人
- 離職日の翌日から受講開始日まで1年を超えている人(延長の手続きをした場合を除く)
- 過去に教育訓練給付金を受け、前回の受講開始日以降の加入期間が3年に満たない人
- 講座を修了できなかった人
- 計算した支給額が4,000円を超えない場合
なお、受講中の生活費を補う教育訓練支援給付金は、受講開始時に45歳未満の失業者に限られます。45歳以上の方は使えません。
退職後1年以内に間に合わないときは?期限と延長の窓口
期限は2つあります。受講開始が離職後1年以内であること。特定一般・専門実践は、受講開始日の2週間前までに受給資格確認を終えることです。受講開始日を書き間違えて2週間前に届かなかった場合も、原則として対象外になります。
病気やけが、妊娠・出産、育児などで引き続き30日以上受講を始められない期間がある場合は、ハローワークに「教育訓練給付適用対象期間延長申請書」を出せます。認められると、受講を始められない日数分、離職後の期間を最大20年まで延ばせます。申請の期限は状況で変わるため、早めに住所地のハローワークへ相談してください。

教育訓練給付金の問い合わせ先はどこ?
相談先は内容で分かれます。
- 自分が対象か、手続きの書類:住所地を管轄するハローワーク。支給要件照会もここで受け付けています
- 訓練前キャリアコンサルティング:全国どこのハローワークでも受けられます
- 講座が指定を受けているか:厚生労働省の検索システム、または講座を開く学校
受給資格確認と支給申請は、郵送や電子申請(e-Gov)でもできます。窓口で聞かれるのは、まず受講開始日です。講座の案内を手元に用意して相談すると話が早く進みます。
先に確認しておきたい手続き
- 次の第6編では、45歳からの転職支援制度を組み合わせて使う順番を解説します
- 職業訓練で失業保険は延長できる?45歳からの延長給付と月10万円の条件
- ハローワークの45歳からの転職相談|担当者制と無料キャリア相談の使い方
- 求職活動支援書とは?45歳以上が会社都合で辞める前に頼む書類
- 失業保険の給付日数は離職理由で変わる|45歳以上は最長330日
- ハローワークの45歳からの転職相談|担当者制と無料キャリア相談の使い方
- 職業訓練で失業保険は延長できる?45歳からの延長給付と月10万円の条件
参考にした公式ページ
- 厚生労働省「教育訓練給付金の適用対象期間延長が最大20年になります」
- ハローワーク「専門実践教育訓練の給付金のご案内」
- 厚生労働省 教育訓練給付制度リーフレット
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」
- 政府広報オンライン「教育訓練給付制度」
- e-Gov電子申請「受給期間・教育訓練給付適用対象期間・高年齢雇用継続給付延長申請」
※本記事は2026年10月時点の情報です。制度は改正されることがあります。最新の内容は必ず公式サイト(厚生労働省・ハローワーク・日本年金機構)またはお住まいの市区町村でご確認ください。




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