求職活動支援書とは?45歳以上が会社都合で辞める前に頼む書類

求職活動支援書とは? 仕事をやめたら
求職活動支援書とは?

会社から退職の話が出て、頭が真っ白になっていませんか。45歳を過ぎてからの転職活動は、何から手をつければいいか迷いますよね。

実は、45歳以上で会社都合で辞める人には、会社に「求職活動支援書」を作ってもらう権利があります。知らないまま退職届を出すと、使えるはずの支援を逃すこともあります。この記事では、自分が対象かどうかの判定と、退職前に会社へ確かめること、頼むときの言い方をまとめます。

45歳以上の会社員が求職活動支援書の作成を会社に頼む前に退職勧奨の通知を確認する場面

求職活動支援書は「希望すれば会社が作る義務がある」書類です

45歳以上70歳未満で、解雇など会社の都合で辞める人が希望すると、会社は「求職活動支援書」を作って本人に渡さなければなりません。根拠は高年齢者雇用安定法第17条です。厚生労働省も事業主向けページで、この作成・交付を義務として案内しています。

ただし、本人が希望しないと作られません。また、対象は「離職することとなっている」人、つまり在職中の人です。退職届を出す前、遅くとも退職日までに、会社へ書面で頼んでおくのが確実です。

求職活動支援書の対象になる?年齢と辞め方で判定

判定のポイントは「年齢」と「辞め方」の2つです。どちらも満たしたときに、会社の作成義務が生まれます。

ここで言う「解雇等」(かいことう)とは、本人に責任がない解雇や、会社の都合による離職のことです。下の表で、自分がどこに当たるか確認してください。

なお、45歳以上65歳未満の欄にある「対象者基準に該当しない」とは、継続雇用制度の経過措置で設けられた基準から外れて離職する場合を指します。

年齢辞め方作成義務
45歳以上65歳未満解雇・その他の会社都合あり
45歳以上65歳未満継続雇用の対象者基準に該当しないあり
65歳以上70歳未満解雇・その他の会社都合あり
65歳以上70歳未満対象者基準に該当しないなし(再就職援助は努力義務)
44歳以下・70歳以上辞め方を問わないなし
求職活動支援書の作成義務がある人(高年齢者雇用安定法第17条)
求職活動支援書を会社に頼む手順と退職前に確認することの流れ

求職活動支援書がもらえないのはどんな人?

次のような場合は、この場合は対象になりません。

  • 自己都合で辞める人。転職や家庭の事情など、自分の意思で辞める場合です。
  • 本人の責任による解雇。懲戒解雇のように、自分の行いが原因とされた解雇は「解雇等」から除かれています。
  • 65歳以上で、定年や継続雇用の上限年齢に達して辞める人。
  • すでに退職した人。法律の対象は「離職することとなっている」人なので、退職後に頼んでも義務の対象外です。

多くの方がつまずくのは、退職勧奨(たいしょくかんしょう)=会社から辞めるよう勧められた場面です。会社の働きかけで辞めるのに、退職届に「一身上の都合」と書くと、自己都合と扱われやすくなります。署名する前に、離職理由がどう扱われるかを必ず確かめてください。

求職活動支援書に書かれる内容と、手元に用意するもの

求職活動支援書は会社が作る書類です。本人が出す決まった申請書はありません。厚生労働省の様式例や事業主向け資料では、次の内容を記載することになっています。

  1. 氏名、年齢、性別
  2. 離職することとなる日(未定なら時期)
  3. 職務の経歴
  4. 資格、免許、受講した講習
  5. 技能、知識その他の職業能力
  6. 職務経歴書を作るときの参考になる事項
  7. 会社が行う再就職援助の措置

会社は本人に聞き取りをして作るので、次のものを用意しておくと話が早く進みます。

  • 解雇予告通知書、または退職勧奨の内容がわかる書面
  • 資格・免許の証書(コピーで可)
  • 担当した業務と年数を書いたメモ

ジョブ・カードを求職活動支援書として使うこともできます。

求職活動支援書の頼み方と、退職前に会社へ確かめること

窓口は会社の人事・総務担当です。口頭だけでなく、メールなど記録が残る形で頼むのが安心です。

  1. 離職理由が「会社都合」として扱われるか確認する
  2. 会社が「再就職援助計画」を出しているか確認する
  3. 求職活動支援書の作成を希望すると伝える
  4. 職務経歴などの聞き取りに応じる
  5. 交付を受け、内容を確認して保管する

再就職援助計画があるかで、あとの支援が変わる

再就職援助計画とは、1つの事業所で1か月に30人以上の離職者が出る人員整理をするとき、会社がハローワークに出す計画です。最初の離職者が出る日の1か月前までに作ります。30人未満でも任意で作れます。

計画があると、会社が再就職支援会社に委託する費用などに国の助成金が使える仕組みがあります。会社が支援を用意しやすくなるので、計画の有無は必ず聞いておきましょう。

そのまま使える頼み方の例

「高年齢者雇用安定法第17条に基づく求職活動支援書の作成を希望します。あわせて、今回の退職について再就職援助計画を提出されているか教えてください。」

窓口では、離職予定日や希望する職種を聞かれます。答えを準備しておいてください。

いつまでに頼む?期限は「退職日まで」と考える

法律や厚生労働省の資料には、「何日以内に頼む」という日数の決まりは示されていません。会社側は、離職が決まったあと「速やかに」作ることとされています。

ここだけは押さえておいてください。対象は在職中の人なので、実質的な期限は退職日です。そして、在職中のなるべく早い時期に渡すことが求められています。早くもらうほど、在職中から職務経歴書の準備や求人探しを始められます。

おすすめの順番は次のとおりです。

  • 退職の話が出た日:辞め方と再就職援助計画の有無を確認
  • 退職届や合意書に署名する前:作成の希望を書面で伝える
  • 退職日まで:交付を受け、記載内容をチェック
求職活動支援書の対象になる人とならない人の比較

求職活動支援書で判定を間違えやすい3つの点

判断を誤りやすいのは、次の3点です。

  • 「会社から言われないから対象外」と思い込む。作成義務は本人の希望で生まれます。会社から案内がなくても、自分から頼んでかまいません。
  • 解雇の理由が書かれると思って遠慮する。法律で、解雇等の理由は書かないことになっています。次の会社に見せても、辞めた事情は伝わりません。
  • 経歴の証明書だと誤解する。厚生労働省の様式例にも、内容を証明する書類ではないと書かれています。応募書類は自分で作り直す前提で使ってください。

会社が作成に応じないときは、ハローワークや都道府県労働局に相談できます。会社は支援書を作ったあと、再就職援助担当者を選び、ハローワークと協力して支援することになっています。

次に確認しておきたい手続き

  • 次回(第2回)は、再就職援助計画の対象になった人が受けられる支援と、ハローワークでの使い方を解説します
  • 会社都合か自己都合かで失業保険がどう変わるかは「自己都合と会社都合の違い|失業保険はここが変わる」へ
  • 退職時に会社から受け取る書類は「退職時にもらう書類5つ」で確認できます

参考にした公式ページ


※本記事は2026年10月時点の情報です。制度は改正されることがあります。最新の内容は必ず公式サイト(厚生労働省・ハローワーク・日本年金機構)またはお住まいの市区町村でご確認ください。

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