年金の免除・納付猶予|退職特例は使える?失業した人の条件と書類

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退職して収入が止まったのに、国民年金保険料の納付書が届く。令和8年度の保険料は月額17,920円です。正直、払うのがきついですよね。

ただ、放っておくと未納になります。退職した人には「失業の特例」という審査の道があります。この記事では、退職日から数えた期限、必要な書類、全額免除と納付猶予の違いを順番に整理します。

退職後に届いた国民年金保険料の納付書を机の上で確認している手元

退職したなら「失業の特例」で全額免除を狙えます

会社を辞めた人は、前年の所得が高くても国民年金保険料の免除を申請できます。日本年金機構の免除制度には、失業を理由にした特例の審査があり、離職票などを添付すると本人の前年所得を0として審査してもらえます。

ここで押さえてほしいのは、未納と免除はまったく違うということ。全額免除が承認された期間は、老齢基礎年金を受け取るとき、保険料を全額納付した場合の2分の1が年金額に反映されます。手続きをせず未納にすると、この2分の1も受け取れません。

退職日から数えていつまでに何をする?

免除の手続きは、退職日そのものではなく「失業した日」を起点に考えます。日本年金機構の説明では、失業した日は離職日の翌日です。12月31日に離職した場合は、翌年が失業等の事由が発生した年になります。

まず全体の期限を見てください。細かい中身はこのあとの見出しで説明します。

なお、免除の申請書は7月から翌年6月までの1年度分が1枚という単位です。年度をまたぐと、申請書も年度ごとに必要になります。

時期やること
退職日の翌日この日が「失業した日」になる
14日以内国民年金第1号被保険者への切り替え届(同じ窓口で免除も申請できる)
離職票が届いたら失業を確認できる書類を添えて免除・納付猶予を申請
申請時点から2年1か月前まで過去の期間もさかのぼって申請できる限度
毎年7月翌年度分の免除・納付猶予をあらためて申請
承認月の翌月から10年以内追納して年金額を満額に近づけられる
退職日を起点にした年金免除手続きの期限
退職日を起点にした国民年金保険料の免除申請の流れを示した図

14日以内の窓口で、切り替えと一緒に出せます

前回の記事で扱った国民年金への切り替えは、退職後14日以内に市区町村の窓口へ届け出ます。この同じ窓口で、免除・納付猶予の申請書も一緒に出せます。二度足を運ばなくて済むので、ここでまとめてしまうのが早いです。

「離職票がまだ届いていない」という方も多いはずです。失業を確認できる書類は離職票だけではありません。ハローワークで交付される雇用保険被保険者資格喪失確認通知書や雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書でも特例の認定を受けられます。窓口では必ず「失業の書類はありますか」と聞かれるので、手元にない場合はその場で相談してください。

特例免除に必要な書類はどれ?

申請書は「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」です。日本年金機構のサイトの「ケース11:国民年金保険料の免除を受けるとき」からA4版をダウンロードできます。窓口にも用紙があります。

これに加えて、失業の事実がわかる書類のコピーを添えます。日本年金機構が挙げているのは次のとおりです。

  • 勤務先から交付される雇用保険被保険者離職票のコピー
  • ハローワークから交付される雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知のコピー
  • 雇用保険被保険者資格喪失確認通知書のコピー

公務員だった方は、退職日が記載された退職辞令などになります。雇用保険に入っていなかった方は、勤務先が書く離職証明書を使う扱いをしている市区町村があります。ご自身の市区町村の国民年金担当に確認してください。

承認されたあとに残る宿題は?

審査結果は後日、通知で届きます。ここで終わりではありません。

免除の承認は年度単位です。7月から翌年6月までが1年度分なので、次の年度も必要なら改めて申請します。全額免除が承認された人は、申請書で継続審査を希望しておくと、翌年度は自動で審査される取り扱いがあります。ただし失業の特例が使える期間には限りがあるため、2年目以降は前年所得で審査されることになります。

もうひとつが追納です。免除・納付猶予が承認された期間の保険料は、承認された期間の翌月から10年以内なら後から納めて、老齢基礎年金を満額に近づけられます。ただし2年を経過した保険料には、当時の保険料に加算額がつきます。余裕ができたときに考えれば十分です。

申請しないまま未納にすると何が減る?

差が出るのは3点です。

  1. 年金額。全額免除期間は満額納付の2分の1が反映されますが、未納は一切反映されません。
  2. 受給資格期間。老齢基礎年金をもらうには、保険料納付済期間と免除期間などを合わせて10年以上必要です。免除期間はここに算入されますが、未納は算入されません。
  3. 障害・遺族の保障。免除期間は障害基礎年金や遺族基礎年金の納付要件を見るとき、納付済期間と同じ扱いになります。未納だとこれらが受け取れない場合があります。

救済はあります。納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前まではさかのぼって申請できます。ただし日本年金機構は、けがや病気が起きたあとにさかのぼって申請しても障害年金を受け取れない場合があると注意しています。思い出したときが申請のときです。

国民年金の全額免除と納付猶予と未納で将来の年金額がどう変わるかを比べた表

この特例が使えないのはどんな人?

退職していても、次に当てはまる方は対象外か、別の制度になります。

  • 50歳以上の方は納付猶予を使えません。納付猶予は20歳以上50歳未満が対象です。免除(全額・一部)の申請に絞って考えてください。
  • 学生の方は学生納付特例が先で、免除(全額・一部)の申請はできません。
  • 障害基礎年金の1級・2級を受けている方、生活保護法の生活扶助を受けている方は法定免除です。申請ではなく届出になります。
  • すぐ再就職して厚生年金保険に入った方、配偶者の扶養に入って第3号被保険者になった方は、そもそも保険料を自分で納めません。
  • すでに納付した月は免除申請の対象になりません。

見落としやすいのが同居家族の所得です。失業の特例で0として扱われるのは本人の前年所得だけ。免除は本人・配偶者・世帯主の前年所得で審査されるため、配偶者や世帯主に所得があると全額免除にならず、4分の3・半額・4分の1のいずれかや却下になることがあります。

関連する手続き

参考にした公式ページ


※本記事は2026年9月時点の情報です。制度は改正されることがあります。最新の内容は必ず公式サイト(厚生労働省・ハローワーク・日本年金機構)またはお住まいの市区町村でご確認ください。

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