失業保険の受給中でもアルバイトはできます。ただし申告が必要で、時期によって扱いが変わります。待期・給付制限・受給中の3つの違いと、申告を忘れたときの影響を解説します。
失業保険をもらいながら、少しだけ働いて生活の足しにしたい。そう考える方は多いと思います。
結論から言えば、働くこと自体は禁止されていません。ただし、いつ働いたかによって扱いが変わり、申告を怠ると不正受給になります。この記事では、時期ごとの違いと申告のルールを整理しました。
働けます。ただし必ず申告します
押さえておいてほしいのは次の3点です。
- アルバイトは禁止されていない
- 1日でも働いたら、認定日に必ず申告する
- 働いた時期によって、扱いが3通りに分かれる
3つ目が分かりにくいところです。同じ1日のアルバイトでも、待期期間中か、給付制限期間中か、受給中かで結果がまったく違います。

①待期期間(7日間)中は働かないでください
受給資格決定日(じゅきゅうしかくけっていび=ハローワークで手続きをした最初の日のことです)から7日間は、全員が待期期間です。
この7日間は「失業している状態」で過ごす必要があります。働いた日は失業していた日として数えられないため、その分だけ待期の満了が後ろにずれます。結果として、支給が始まる日も遅くなります。
この7日間だけは、予定を入れないほうが確実です。 数日のアルバイトのために、全体が1週間遅れることになります。
②給付制限期間中のアルバイト
自己都合で退職した方には、待期の後に給付制限期間があります。2025年4月1日以降に離職した方は、原則1か月です。
この期間はもともと支給がありません。ですから、働いても減額される給付がそもそも存在しません。生活のために働くなら、この時期がいちばん影響が小さいと言えます。
ただし、申告は必要です。認定日に、働いた日と収入をすべて申告してください。
そしてもうひとつ。働き方によっては「就職した」と判断されます。 その場合、受給資格そのものの扱いが変わります。次の項目で説明します。
③受給中のアルバイトは3通りに分かれます
支給が始まった後に働くと、その日の扱いが3つに分かれます。判断の目安になるのが、1日に働いた時間です。
1日4時間以上働いた日
その日は「就労した日」として扱われます。基本手当は支給されず、その分は**先送り(繰越)**されます。受け取れる日数が減るわけではなく、支給される日が後ろにずれる形です。
1日4時間未満働いた日
その日は「内職・手伝い」として扱われます。収入額に応じて、基本手当が減額されるか、そのまま支給されるかが決まります。
計算には控除額という基準が使われ、収入がその範囲に収まっていれば減額されません。この控除額は毎年8月1日に改定されます。 具体的な金額は、厚生労働省またはハローワークの最新の資料で確認してください。
週20時間以上働いた場合
これは日単位ではなく、週単位の話です。週の所定労働時間が20時間以上になると、雇用保険の加入対象になります。つまり「就職した」と扱われ、失業保険の受給は終了します。
ここが一番の落とし穴です。短期のつもりで始めた仕事が、シフトが増えて週20時間を超えてしまうケースがあります。

申告のしかた
申告は、認定日に提出する失業認定申告書で行います。
書くのは次の内容です。
- 働いた日(カレンダー形式の欄に印をつけます)
- その日に働いた時間
- 収入の金額
- 収入を得た日(働いた日と支払われた日が違う場合があります)
給与がまだ振り込まれていなくても、働いた事実は申告します。「まだもらっていないから書かなかった」というのは通りません。
働いた日数や時間を記録しておいてください。シフト表の写しや、勤務先からもらった明細があると確実です。窓口では必ず「この期間、働きましたか」と聞かれます。
申告しないとどうなるか
不正受給と認定されると、受け取った額の返還に加えて、その2倍相当の納付を命じられることがあります。以後の支給も停止されます。
勤務先が雇用保険や税の手続きをすれば、記録は残ります。申告しなければ分からない、ということにはなりません。

申告が必要ないケースはありません
「これくらいなら書かなくていいだろう」と考えがちな例を挙げておきます。どれも申告が必要です。
- 友人の店を1日だけ手伝った
- 無給の手伝いだった(収入がなくても、働いた事実は申告します)
- 実家の家業を手伝った
- 単発の日雇いだった
- 内職やクラウドソーシングで数千円の収入があった
一方で、申告の対象にならないものもあります。 雇用契約に基づかない収入、たとえば不動産の家賃収入、株式の配当、保険の満期金などは、労働の対価ではないため扱いが異なります。判断に迷うものがあれば、認定日を待たずに窓口へ相談してください。
よくある間違い
待期期間中に短期の仕事を入れてしまう
7日間は空けておくのが無難です。ここで働くと、全体のスケジュールが後ろにずれます。
「4時間未満なら申告しなくていい」と思い込む
4時間は減額か繰越かを分ける基準であって、申告の要否を分ける基準ではありません。
シフトが増えて週20時間を超えたことに気づかない
超えた時点で就職扱いになります。始める前に、週の労働時間の上限を勤務先と決めておいてください。
収入を得た日と働いた日を混同する
申告書には両方を書く欄があります。月末締め翌月払いの場合、ずれます。
あわせて確認したい手続き
- 早く再就職が決まった場合の再就職手当
- ハローワークでの認定日の受け方と求職活動実績
- 自己都合退職の給付制限期間
※本記事は2026年9月時点の情報です。制度は改正されることがあります。最新の内容は必ず公式サイト(厚生労働省・ハローワーク)またはお住まいの市区町村でご確認ください。




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